政治経済

政治経済

備蓄米の効果、栃木県内で実感遠く

 スーパーなど「効果感じない」 消費者、飲食店は我慢続く


オータニ宇都宮駅東店のコメ売り場。価格は備蓄米放出前と変わっていないという=8日午後、宇都宮市今泉4丁目

 

 下野新聞は、以下のように報じた。

 

 コメの価格高騰を受け放出された政府備蓄米は、3月の初回入札から10日で1カ月となる。21万トン超が放出され店頭に並んだものの、価格は高止まりが続き、県内のスーパーなどからは「効果を感じない」との声が上がる。食卓に欠かせないだけに「高くても買うしかない」。消費者や飲食店も我慢が続く。一方、政府が9日、備蓄米の追加放出を発表したことを受け、関係者からは値下がりを期待する見方も出てきた。

 4月上旬、宇都宮市元今泉4丁目のフードオアシスオータニ宇都宮駅東店。買い物に訪れた真岡市、主婦(73)は、売り場に並んだコメの袋をじっと見つめていた。「(値段が)全然変わらない」。以前は宅配業者にコメを注文していたが、抽選販売になったため店舗に足を運ぶようになった。「家族が“ごはん派”なので、高くても買い続けるしかない」と肩を落とす。

 田村正之店長は「備蓄米の効果はないですね」と言い切る。同店でのコメの販売価格は昨年のおよそ2倍で、1カ月前と変わらない状況という。

 農林水産省は7日、全国のスーパーで3月24~30日に販売されたコメ5キロの平均価格を前年同期比2倍超の4206円と発表。13週連続で値上がりした。

 そうした中、政府は備蓄米を7月まで毎月放出することを決め、沈静化を図る。県内の卸売業の担当者は「潮目が変わる可能性がある」と指摘する。既に放出済みの21万トン超は国内消費量全体の半月分程度にしか当たらず、店頭価格を下げる要因にはならないと考えていた。ただ、毎月放出されれば「価格が下がる可能性が高い」と見通す。

 別のスーパーの担当者も「最初の放出では実感できなかったが、追加での効果を期待したい」と語った。