
「貯金」数年で枯渇、研究者の削減不可避
東京大学は2026年度、約40億円の最終赤字となり、国立大学法人化後初めて2年連続の赤字となる見通しだ。人事院勧告に伴う給与上昇や物価高による実験機器・材料費の増加が財政を圧迫する一方、国からの運営費交付金はほぼ横ばい。これまで赤字を補ってきた繰越金も数年で底をつく可能性がある。東大幹部は、財務状況が改善しなければ研究者数の削減など「縮小均衡」が避けられないとの認識を示す。政府は基礎研究力の低下を懸念し、2027年度に向け運営費交付金の大幅拡充を検討している。日本の研究力を支える大学の財政基盤をどう立て直すかが問われている。

日本の大学・研究機関が抱える課題
東大の赤字は一大学だけの問題ではない。国立大学では、運営費交付金の伸び悩みや物価高、人件費増により、研究環境の維持が難しくなっている。安定した基礎研究費が不足すれば、若手研究者の雇用や長期的な研究が縮小し、日本全体の研究力・国際競争力の低下につながる懸念がある。









