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マスク氏、衛星軸に社会基盤? 出遅れ日本は育成急務 

日経新聞は、マスク氏のロケット開発について、次のように報じた。

 

宇宙開発で、米起業家のイーロン・マスク氏が設立した米スペースXの独走が目立っている。

人口衛生打上げ、5000基近く

2022年のファルコン9ロケットの打ち上げは61回と週1回を上回るペースで、23年は100回を超す勢いだ。人工衛星を使ったネット接続サービス「スターリンク」のために打ち上げた衛星は5000基近くに達する。打ち上げから衛星ネットサービス、有人飛行までを垂直統合するビジネスモデルで世界の先端を走る。

宇宙だけでなく電気自動車(EV)の米テスラの創業やSNS「X(旧ツイッター)」の買収などマスク氏の活動は幅広い。宇宙やEVといった個々のビジネスの背後には、大きなビジョンが潜んでいるように思える。その結節点になるのが衛星ネットだ。

蓄電池と衛星ネットの連携

何よりも大きいのは宇宙とEVの連携だろう。再生可能エネルギーと蓄電池をネットワークにし、巨大なエネルギー供給網を構築するスマートグリッドのアイデアは以前からある。そこにEVの蓄電池と衛星ネットを組み込む。

電力網の制御にはネットが欠かせないが、地球上のどこでも利用可能な衛星ネットを使えば、国境などを越えた制御も可能だ。利用すれば、インフラ整備が遅れた途上国や災害時の孤立した地域でのローカルなシステム構築も容易だろう。脱炭素と経済成長を両立させるグリーントランスフォーメーション(GX)の最先端を走ることになる。

日本は決定的に遅れ

日本はどうか。決定的に出遅れているのがスターリンクのような衛星ネットサービスだ。社会サービスまで視野に入れた次世代技術の実証都市「ウーブンシティ」のような野心的な取り組みをしているトヨタ自動車でさえ、衛星ネットサービスには表だった動きをみせていない。要となる衛星ネットを育成し、産業や社会に取り込んでいくことは喫緊の課題だ。

宇宙は成長産業

宇宙は成長産業といわれるが、単に産業規模が拡大するだけでなく社会を変えるゲームチェンジャーになる可能性を秘める。日本が勝ち残るためには、宇宙を活用していかに暮らしやすい社会を実現していくか、しっかりしたビジョンを描くことが必要だろう。