政治経済

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【西側延伸の行方 LRT課題点検】(3)難工事

36年開業へ時間限られ 県都の玄関口に高架

 下野新聞は、以下のように報じた。

写真:複数の在来線や新幹線が走るJR宇都宮駅。LRTはJR線をまたぎ、新幹線の高架を貫いて西口に出る

 次世代型路面電車(LRT)がJR宇都宮駅の東口と西口をつなぐ。JR線を横断し、西口の駅前広場に高架を通すLRT西側延伸。宇都宮市民からは「西口も、東口のようにきれいにしてほしい」との声が市に届く。

 西口は大通りや中心市街地に向かう、県都の玄関口だ。歩行者や車の出入りが多く、「パズルを組むように工事を進めないといけない。LRT軌道、ロータリー、歩行者デッキ。どこから着手するか。簡単ではない」。西側延伸に関わる市検討委員会の長田哲平宇都宮大准教授は工事の難しさを語る。

 西口は今の姿になって約40年。市はLRT延伸に合わせて駅前広場も刷新する方針で、LRTの高架を通し、2階の歩行者デッキに面して「JR宇都宮駅西口停留場」を置く。1階は交流広場、路線バス・タクシーロータリー、一般車ロータリーに分けて人と車の流れをスムーズにする。

 「今のデッキを撤去しないとロータリーを整備できないが、一部でもデッキを造っておかないと歩行者の動線を確保できない。LRTの高架整備と駅前広場の再整備でどちらを先にするか役割分担はこれから」と市担当者。経験のない大工事に気をもむ。

 工事が始まり、資材置き場をどこに設けるか、工事車両はどこから出入りするか。歩行者や車の仮設の通行ルートは組まれるが、工事の進捗(しんちょく)に応じて何度も変わる。県個人タクシー協会の長島徹男会長(70)は「完成イメージは今の西口より抜群にいい」とした上で、工事期間中も、人や車の円滑な流れと丁寧な案内を求める。

 駅周辺では、JR横断部も難工事が予想される。高架工事はJR東日本が請け負い、駅ビルの北側を回って新幹線と在来線の間の2階部分に軌道を通す。在来線は留置線を含めて12線路もまたぐことになる。

 JR担当者は「当社でもまれにみる工事。腕の見せどころ」と話す。工事は終電から始発までの夜間、通過する貨物列車に影響しないよう進めるとしており、使える時間は限られる。

 そして「JRが担うのは高架のみ」と担当者。続く軌道や架線の敷設は市が行い、完成後は車両の試運転期間もある。JRに与えられた工期は長くない。

 着工すると、駅周辺は数年にわたり“工事現場”になる。難易度も高く、開業目標の2036年3月をにらみながらの大工事になることは必至だ。