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宇都宮市長選に上田氏が立候補へ LRT反対団体代表

上田憲一氏

 

下野新聞は、以下のように報じた。

 11月10日告示、17日投開票の宇都宮市長選で、元県職員の上田憲一氏(87)=宇都宮市戸祭2丁目=は17日、下野新聞社の取材に対し、無所属で立候補する意向を明らかにした。来週にも記者会見を開き、正式に表明する。上田氏は市民団体「宇都宮市のLRTに反対し公共交通を考える会」の代表。

 上田氏は、市の次世代型路面電車(LRT)事業を「LRTありきでなく、バスや車の道路交通整備を重視すべきだ」と批判。その上で「JR宇都宮駅西側延伸には絶対反対。LRTに反対する候補者がいない状況を見過ごせない」と立候補の理由を説明した。

 上田氏は宇都宮大農学部卒。神奈川県職員を経て、栃木県職員となった。

 市長選には現職の佐藤栄一(さとうえいいち)市長(62)と、市出身で元茨城県つくば市副市長の毛塚幹人(けづかみきと)氏(33)が立候補を表明している。毛塚氏はLRT西側延伸に賛成の立場。

 

また、下野新聞は、9月20日のデジタル版で、以下のように報じた。

宇都宮市長選で自民県連が佐藤氏推薦 3氏が立候補表明

記者会見で6選出馬を表明する佐藤氏

 自民党栃木県連は20日の総務会で、11月10日告示、17日投開票の宇都宮市長選に6選を目指して立候補を表明している現職の佐藤栄一(さとうえいいち)氏(62)を推薦することを決めた。

 市長選では、市出身で元茨城県つくば市副市長の毛塚幹人(けづかみきと)氏(33)と、元栃木県職員の上田憲一(うえだけんいち)氏(87)が立候補を表明している。

 

【視点】
私が知る限り、過去の市長選挙LRTを争点にして4回闘われた選挙があった。

LRT推進

LRT反対

2020年

佐藤栄一氏(113,025票/65.6%)

須藤博氏(59,237票/34.4%)

53,787票/31.2%

2016年

佐藤栄一氏(89,840票/51.8%)

金子徹氏(83,634票/48.2%)

6,206票/3.6%

2012年

佐藤栄一氏(100,858票/70.8%)

河内宏之氏(41,678票/29.2%)

53,787票/31.2%

2008年

佐藤栄一氏(80,529票/50.2%)

今井恭男氏(41,116票/25.6%)、山本直由氏(23,589票/14.7%)、浅野薫子氏(15,250票/9.5%)

計 80,005票/49.8%(差 524票/0.3%)

2008年の市長選挙では、反対派が3人に分裂してしまいましたが、今井氏と浅野氏は真のLRT反対派でした。山本氏は自民党市議を辞職してLRT反対を掲げて立候補しましたが、実際には反対票を分裂させ、佐藤氏を当選させるためだったのではないかと推測されます。

2012年には、LRT反対派が候補者を擁立できなかったため、幸福実現党の河内氏が立候補しました。河内氏は前年の衆議院選挙にも出馬しましたが、極端な主張が原因で野党の支援を得られませんでした。しかし、市長選ではLRT反対に特化して訴えたことで、衆議院選では3千票余りしか得票できなかったにもかかわらず、市長選では4万1千票を獲得しました。

2016年の市長選挙では、LRTの駅東側の工事が始まる前であり、ここで反対派が勝てば工事を止められると市民が判断した結果、金子氏が現職の佐藤氏に約6千票差まで迫りました。

2020年の選挙では、須藤氏が立候補しましたが、LRT着工後という状況もあり、市民の間には諦めムードが広がり、得票が伸びませんでした。

今年11月の市長選では、推進派として佐藤氏と毛塚氏が立候補していますが、LRTに反対する市民団体代表の上田さんも立候補表明。これは、LRT反対派としてこの選挙を見過ごすわけにはいかないという強い意思からと思われる。

私は、市の将来を見据え、問題が多い駅西側へのLRT延伸を争点に、上田さんの健闘を祈るとともに、市民の皆さんがLRT問題に関心を持ち、真剣に考え、自らの意思を選挙で表明することを期待しています。