真岡の井戸2カ所の地下水から 発生源特定できず
下野新聞は、以下のように報じた。
栃木県は13日、栃木県真岡市鬼怒ケ丘の井戸2カ所の地下水から、発がん性が指摘されている有機フッ素化合物(PFAS)が国の暫定指針値(1リットル当たり50ナノグラム)を超える濃度で検出されたと発表した。
有機フッ素化合物「PFAS」検出の水道水、栃木県内は7事業者 国の暫定目標値は下回る
県によると、井戸の利用者が9月に自主的に検査したところ、1リットル当たり63ナノグラムと同52ナノグラムのPFASが検出されたという。報告を受けた県と真岡市が周辺の別の井戸計10カ所を検査したところ、指針値は超えなかったが全ての井戸からPFASが検出された。発生源は特定できていないという。これまでに健康被害の報告はない。
県は井戸の利用者や周辺住民に対し、水道水を飲むことや井戸水の水質検査を行うことなどを助言している。63ナノグラムを検出した井戸や下流側の井戸では定期的な検査を行うとしている。
PFASは水や油をはじき、熱に強い特性がある。2000年代初めまでさまざまな工業に利用されていたが、環境中での残留性や健康に対する影響への懸念から、世界的に製造や輸入が禁止されている。
【視点】
PFAS(有機フッ素化合物)は、撥水性や耐油性などの特性から、日常生活の多くの製品に使用されてきた。しかし、これらの化合物は環境中で分解されにくく、生体内に蓄積しやすいため、健康や環境への影響が懸念されている。
日本におけるPFASの汚染状況 環境省は、2022年度に全国の河川や地下水を対象にPFASの調査を実施し、16都府県の111地点で暫定目標値(PFOSおよびPFOAの合算で50ng/L)を超える濃度が検出された。特に、沖縄県や東京都多摩地域、大阪府などで高濃度のPFASが確認されている。
PFASは、泡消火剤や撥水加工製品の製造過程で使用されてきました。特に、航空基地や工場周辺では、これらの物質が環境中に放出され、地下水や河川を通じて広範囲に拡散していると考えられている。