宇都宮LRT、コンパクトシティー実現へバスと共存共栄
宇都宮市と栃木県芳賀町を結ぶ次世代型路面電車「芳賀・宇都宮LRT」が開業したのを受け、地元のバス会社はLRTと重複する路線を廃止し、周辺地域を巡回する路線を新設するなど大胆な路線再編に踏み切った。「車なしで自由に移動できるネットワーク型コンパクトシティー(NCC)」(佐藤栄一市長)の実現に向けて、鉄道とバスが共存の道を探る。
バス路線を再編したのはJR東日本傘下のジェイアールバス関東(東京・江東)と、栃木県を中心にバスを運行する関東自動車(宇都宮市)の2社。地域住民の意見もふまえて宇都宮市などと協議を重ね、東部でLRTとの競合を避けつつ、乗り継ぎで広範囲に乗客が移動できるようにした。
ジェイアールバス関東は16路線と28の停留所を廃止。
市内を走る路線の大半に加え、クルマやバイク好きに人気のテーマパーク「モビリティリゾートもてぎ(栃木県茂木町)」まで行く長距離の路線も廃止した。反面、市内の清原工業団地や芳賀町の芳賀工業団地を巡回する路線を市や町からの受託で開設した。
関東自動車はJR宇都宮駅東口と商業施設「ショッピングモールベルモール」を最短距離で結ぶ路線など9路線を廃止する一方、ベルモール発着でJR岡本駅や周辺の宇都宮工業団地を巡回する路線など4路線を、市からの受託で運行を始めた。路線数は減るが1日の便数は差し引き35便ほど増え、運転手4人分の仕事量が増えるという。