ほさか栄次のブログ

ほさか栄次のブログです。

サイバー特許、トップ10に中国勢6社 ファーウェイなど

サイバー特許、トップ10に中国勢6社 ファーウェイなど

 

日経新聞は、以下のように報じた。

 

先端技術やウェブサービスに欠かせないサイバーセキュリティー技術で中国の存在感が増している。2023年時点の世界の特許保有件数は上位10社のうち6社を華為技術(ファーウェイ)などの中国企業が占めた。専門家は米中対立を契機に中国勢が独自技術の育成に力を入れ、経済安全保障を左右する技術分野でも一定の成果を収めつつあるとの見方を示す。

ランキングは日本経済新聞が米大手知財情報サービスのレクシスネクシスと協力して作成した。日本や米国、中国、欧州連合EU)など世界95の国・地域の当局に登録された各企業の保有特許を対象に、国際的な特許分類「IPC」などに基づきサイバーセキュリティー分野について抽出した。

 

保有件数トップはIBMの6363件

複数の国に出願した同一特許を1件と数える「特許ファミリー件数」を企業ごとに調べたところ、23年8月時点の保有件数のトップは米IBMの6363件だった。2位はファーウェイの5735件、3位は騰訊控股(テンセント)の4803件だった。

6位には中国の金融会社アント・グループ(3922件)、7位には中国国有送電大手ステートグリッド(国家電網、3696件)が入った。アリババ集団(3122件)や政府系ファンドの中国投資(CIC、3042件)もトップ10に名を連ねた。

中国企業の特許出願件数は米国が中国のハイテク企業への輸出規制を本格化した18年ごろから増えている。10年前と比べた特許保有件数の伸び率はIBMが1.5倍だったのに対し、ファーウェイは2.3倍、テンセントは13倍だった。

レクシスネクシス日本法人知財部門の大坂裕子アジアマーケティング責任者は「特に18年以降、中国企業全般で出願が急激に増えている」と指摘する。

18年はトランプ米政権(当時)が中国の先端技術製品に対して追加関税措置を課すなど、米中摩擦が始まったとされる年だ。大坂氏は「先端技術やデータを巡る覇権争いで知財保護の重要性が再認識され、中国企業の旺盛な出願をもたらした可能性がある」とみる。

分野別の内訳を分析したところ、ファーウェイは無線などの通信技術に関連するサイバー特許を多く保有していた。テンセントは電子メールや本人確認などの認証技術、アント・グループはデータベースの処理要求に使うクエリ言語に関連する保有特許が多く、各社の事業にひもづく分野に力を入れている。

ファーウェイは自動車関連の技術に強みを持つ。最も価値の高い技術は、ネットワークを用途に応じて仮想的に分割する「ネットワークスライシング」関連だ。高速通信規格「5G」やクラウドコンピューティングなどで応用可能で、コネクテッドカー(つながる車)や通信機器など幅広い業種に影響する。

同社によると独BMWや仏ルノーSUBARU(スバル)など各国大手と特許ライセンス契約を締結する。世界350社超がファーウェイのライセンスを取得し、2022年のライセンス収入は5億6000万ドル(約840億円)に上る。

新しい特許を出願する際、既存の特許の技術が基になっている場合には「引用元」として明示する必要がある。多くの引用がされる特許は技術的な価値が高いといえる。

 

特許価値 ファーウェイが1位、アント・グループが2位

こうした観点から各企業の特つ特許の引用数や、特許を有する地域の市場の強さを反映させて特許の価値を指数化したところ、ファーウェイが1位、アント・グループが2位となり、特許保有件数で首位だったIBMを上回った。直近5〜6年で出願した最新技術の割合がIBMなどより多く、他社から活発に引用されているため指数が高くなった。

先端技術の知的財産に詳しい大坂雅浩弁理士は、「中国勢がサイバー特許を数多く保有しておくことは、他国の企業による通信機器やソフトウエアなどの製品開発・販売へのけん制となる」と話す。企業が類似の技術の製品販売や特許出願を行う場合、既存の特許の侵害調査や技術文献などとの類似性を全て検証しなければならないためだ。

中国の製品・サービスが他国の市場から排除されたとしても、標準規格を満たすために欠かせない「標準必須特許」を握っておけば「参入障壁を崩すため、多額のコストを投じて一つ一つの特許の無効を主張するか、諦めてライセンス料を中国企業に支払うかのどちらかを迫られる」(大坂弁理士)という。

特許保有件数は新規出願によって増える一方、出願から20年で失効したり、登録料の支払いを止めたりすることで減少する。2000年末時点の世界ランキングで首位だったNECの23年の順位は10位に後退した。2000年末時点で2位だったNTTは23年には10位圏外になった。

23年時点の保有件数のランキングで上位30位以内に名を連ねた日本企業は5社だった。通信やウェブサービス分野における競争力の確保や経済安全保障上の観点からも、日本企業には積極的な技術革新の取り組みと知財保護の姿勢が求められている。

 

【視点】  先端技術やウェブサービスに欠かせないサイバーセキュリティー技術で中国が急激に存在感が増している。日本は大学を含めて教育の予算をあまりとっていない。アメリカ、ヨーロッパの他、近年力をつけてきている中国やインドにかなり差をつけられている。軍事費や無駄な公共事業を見直し削減し、もっと、教育、子育てに予算を使うべき。