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駅西延伸、協議多岐に まちづくりと連動なるか

点検LRT 宇都宮-芳賀 開業半年〈下〉展望

 

県都の玄関口であるJR宇都宮駅西側の大通り。LRT延伸事業がいよいよ本格化する

 下野新聞は、2月28日に以下のように報じた。

 

次世代型路面電車(LRT)の模型のすぐ隣で、視察団が熱心にうなずく。今月19日、JR宇都宮駅西口にある市のLRT情報発信拠点。茨城県土浦市の市議らが、LRT事業の説明を受けていた。

 少子高齢化が深刻化する中、交通ネットワークの構築をまちづくりの柱に据える宇都宮市。基軸となるLRTからヒントを得ようと開業後、200を超える視察団が国内外から訪れる。

 土浦市は、東京・秋葉原茨城県つくば市を結ぶ「つくばエクスプレス」の延伸を目指す。「開業後の企業の引き合いは」「JRをどう横断するのか」。視察中、質問がやむことはなかった。

駅東の知見活用

 全国から注目を集めるLRT事業。駅西側への延伸に向け、今後はより具体的な検討に入っていく。

 宇都宮市は今月1日、駒生1丁目の教育会館前までの停留場配置案を公表。馬場町、県庁前、護国神社前などの12カ所で、このうちJR宇都宮駅西口、東武宇都宮駅前、桜通り十文字には路線バスなどと乗り換えられるトランジットセンターの機能を設ける。2024年度当初予算案には同駅西側の事業化推進費として5億円余を計上した。

 協議・調整事項は多岐にわたる。ホームの設置箇所、道路空間やバス路線の再編。車線減少に伴う迂回(うかい)路の整備、事業車両の荷さばき、マンション駐車場との関係性などにも留意が必要となる。

 駅西延伸は、駅東側の知見を活用でき、整備距離も約5キロと東側の3分の1。東側の定着を追い風に進ちょくを急ぐこともできるが、矢野公久(やのまさひさ)市建設部長は「東に比べ、西は関係者が多い。そこを踏まえなくては」と慎重姿勢を崩さない。

都市再生の流れ

 市は軌道建設に必要な特許申請を24年に行う目標を、25年に先送りした。駅西側で進む再開発と歩調を合わせ、整合性を図るためだ。30年代前半とする開業時期に変更はない。佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「多くの関係者と議論を深め、市民とより丁寧に意見交換する。まちづくりと連動した延伸を進めたい」と強調した。

 駅東側では着工後の用地取得で住民説明が後手に回り、開業延期の一因となった。LRTに懐疑的な向きが開業後どう変化したかも、見つめる必要がある。

 都市計画に詳しい早稲田大の森本章倫(もりもとあきのり)教授は提言する。「交通施設整備とまちづくりを両輪として進めるには、市民や関係者との合意形成、駅東側から始まった都市再生の流れを途切れさせない工夫が重要」

 特許申請の延期によって生まれた時間は大きい。LRTを基軸に「県都の顔」でどんなまちを再構築するのか。官民で議論を尽くし、未来像を共有することが不可欠だ。

【視点】

 令和3年8月に、JR駅西側への延伸計画について、延伸区間(県教育会館までの約5km)概算事業費400億円、日程(2024年に国へ申請、2026年着工、2030年代前半に開業)を発表したが、早くも、今年2月1日に、国への申請を1年延期し、2025年とすと発表した。おそらく、バス会社や関係者との協議が進まず、具体的計画が作れないのであろう。

 西側は、駅前大通り(片側3車線)のところに、レールと停留所を造り、実質1車線になる。現在約2000台走っているバスを、どのくらい走らせるかも未定、車は走行できなくなるだろうし、道路の真ん中に停留所ができるので、ジャパンカップロードレースや宮祭りはできなくなり、車は走行できなくなるだろう。

 大規模なバスターミナルを東武駅周辺や、戸祭交差点に作るが、その見通しがついていないし、その費用も概算事業費400億円には含まれていない、前途多難である。