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富山市のLRT,街づくりを参考 持続可能なまち開発 導入検討の他都市も注目 

富山市LRT,街づくりを参考

持続可能なまち開発 導入検討の他都市も注目 

(8.18 保坂撮影)

毎日新聞は、宇都宮市LRTについて、富山市と比較して次のように報じた。

2006年導入の富山市LRTを参考

世代型路面電車LRT)の導入を足がかりに、宇都宮市は「ネットワーク型コンパクトシティNCC)」の形成を目指す。

富山市:JR廃線を利用

富山市は2006年、国内で初めてLRTを本格的に導入した。JR西日本から老朽化したローカル線の軌道を引き継ぎ、JR富山駅北側から市北部への7・6キロを結んだ。その後も駅南側に環状線を整備し、同駅で南北の路線を接続させるなど拡張。利用者数は堅調に推移し、市のシンボルの一つとして定着している。

富山市:高齢者は市内のバス、LRT運賃が100円

並行してLRT沿線の地域を「居住推進地区」に設定して住宅取得を補助した。市中心部には観光スポットとして知られる「グランドプラザ」や「TOYAMAキラリ」を整備し、居住の誘導と都市機能の集積を進めた。車への依存度を下げるため、高齢者向けに市内を走る路面電車やバスの運賃が100円になる年間パスを発行するなどし、人の流れを公共交通へと振り向けた。

様々な都市政策と連携が重要

LRTの整備以降、市の人口は転入超過に転じ、中心部の地価は上昇傾向にある。都市の地域計画が専門の京都大院工学研究科、松中亮治准教授は「LRTは持続可能なまちを作っていくための一つのツール。さまざまな都市政策と連携しながら進めることが重要だ」と語る。

 

宇都宮市富山市の取り組みを参考にしてきた。発着点であるJR宇都宮駅東口の再開発を進め、「ライトキューブ宇都宮」など新たな市のランドマークを整備。まちづくりの基本となる「立地適正化計画」を基に居住誘導や都市機能の集積も進め、LRT導入とともにNCC構想に向けた施策を推進している。

宇都宮市の成否が、他都市導入の判断材料に

LRT富山市での開業後、導入の構想が各地に広がったが、具体化に至っていないケースも多い。現在は東京や神戸、岡山などで検討されている。松中准教授は「宇都宮の結果が(他都市に)大きく影響する可能性はある。そういった意味でも注目されている」と指摘し、宇都宮市芳賀町の事例の成否が、導入を検討する都市の判断材料の一つとなりうるとした。

「検討する次の都市が宇都宮に続くことができるよう進めたい」と佐藤栄一市長は力強く語る。新たに誕生するLRTは国内初となる全線新設で、富山市の事例とは異なる意味合いも持つ。開業と、その後のまちづくりは県外からも視線が注がれそうだ。