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正社員への転換、助成増額で後押し 厚労省が24年度から

正社員への転換、助成増額で後押し 厚労省が24年度から

 厚生労働省はパートや派遣といった有期雇用の労働者を正社員に転換した企業への助成金の要件を2024年度に緩和する。現在は同じ会社での雇用期間が通算6カ月以上3年以内の人を対象としているのを「6カ月以上」に変える。雇用の安定を後押しする。

中小企業は1人当たり57万円、大企業42万7500円を支給

現行制度は有期労働者を正社員にした場合、中小企業には1人あたり57万円、大企業には42万7500円を最大20人分まで支給している。有期の雇用期間が3年を上回る場合は対象外となっていた。

 

非正規の労働者を巡っては雇用の不安定さに加え、将来の低年金などの問題が指摘される。総務省の就業構造基本調査によると、非正規で働く女性は22年10月時点で1447万人に上る。女性の雇用者に占める割合は53.2%と推計され、厚労省は改善の余地があるとみている。

中小企業は1人当たり60万円、大企業45万円にを増額

今回あわせて助成金額も見直す。中小向けは60万円に、大企業向けは45万円に増額する。ただ、2人目以降はそれぞれ50万円、37万5千円に減額し、ばらまき色を薄めて財政に配慮する。

労働契約法は雇用期間が通算5年を超えた場合に、労働者は無期雇用への転換を申請できると定める。助成金がなくても有期雇用から脱する手立てがあることを考慮し、5年超の労働者に関しては助成金額を半額に抑える。

助成制度は13年度に導入し、22年度までの10年間で計78万人強の正社員転換を後押ししてきた。各業界で人手確保のため労働者を正社員として登用するなど処遇改善の動きは活発になっている。

厚労省は同じく24年度に職務や勤務地、労働時間などを限定した正社員の普及拡大策も強化する。社内に限定正社員の制度を新たに設け、有期労働者から登用した場合の助成金を既存の4倍超に増やす。

現在は企業が1人でも有期雇用から限定正社員に転換すれば、1事業所あたり1回まで中小向けに9万5000円、大企業向けに7万1250円を支給している。24年度からはそれぞれ40万円、30万円に増額する。

家庭の事情などでフルタイム勤務や転勤は難しいものの、正社員として安定して働きたいといったニーズへの対応を強化する。

厚労省は24年度予算の概算要求として制度拡充に向けて317億円を盛り込んだ。23年度当初予算と比べておよそ1割の増額を求めた。