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県内基準地価下落幅が縮小 JR沿線好調に推移 LRT開業への期待も影響か

県内基準地価下落幅が縮小 JR沿線好調に推移 LRT開業への期待も影響か

 県が19日公表した7月1日時点の県内基準地価は、住宅地、商業地ともに下落幅が前年より縮小した。住環境が良いJR沿線などの地域が好調に推移し、新型コロナウイルス禍からの人流の回復などで上昇地点数が増えたことが要因。特に、8月に開業した次世代型路面電車(LRT)沿線などJR宇都宮駅東エリアの上昇率の高さが目立った。同駅に近接しているとはいえない地域でも、LRT沿線では伸びており、開業への期待の高さがうかがえた。

 住宅地の上昇率トップは宇都宮市東宿郷3丁目のプラス4・2%。同駅東口から徒歩圏内のLRT沿線にあり、1平方メートル当たりの平均価格は14万9千円だった。次いでLRT沿線周辺の元今泉5丁目と、同駅から2キロほど離れた陽東4丁目が同率の4・0%。大型商業施設のある陽東6丁目が3・6%、マロニエプラザ北部の元今泉7丁目が3・3%と続いた。

 上位5地点が全て同駅東エリアとなった点について、今年の地価調査代表幹事を務める不動産鑑定士の永井正義(ながいまさよし)氏は「駅東は区画整理で環境も良く、もともと需要はある」とした上で、「駅から比較的離れているLRT沿線の陽東を見ても、開業効果の大きさが分かる」と分析する。

 商業地でもLRT効果がうかがえた。上昇率トップは同駅東口にほど近い東宿郷1丁目で3・1%。次いで東宿郷4丁目が2・8%だった。

 一方、住宅地、商業地の上昇率を市町別でみると、上昇したのはそれぞれ宇都宮、下野、小山の3市のみ。この他、住宅地で上三川町が横ばいだった以外はマイナスとなり、郊外部や中山間地域の市町を中心に下落率が大きかった。永井氏は今後の見通しについて「国や自治体はまちの中心部に住宅や行政機能などを集約させる『コンパクトシティ化』を進めている。地域間格差は拡大するかもしれない」と話した。

 一方、2年連続で上昇した工業地は、上げ幅も前年より0・7ポイント増のプラス1・3%だった。交通アクセスなどが良い県央、県南で上昇したほか、県地域振興課の担当者は「下落が続く県北地域でも下落幅は縮小しており、全体の上昇につながった」としている。