安価な穀物流入警戒、ウクライナと東欧支援国に摩擦 結束乱れる恐れ
ポーランドのモラウィエツキ首相(右)とウクライナのゼレンスキー大統領=AP
毎日新聞は、24日、以下のように報じた。
ウクライナ産の穀物輸出をめぐり、ウクライナとポーランドなど東欧の支援国との関係が悪化している。安価なウクライナ産穀物の流入を警戒し、東欧3カ国は欧州連合(EU)による輸入規制の撤廃後も独自の規制を続ける方針を表明。ウクライナが3カ国を世界貿易機関(WTO)に提訴する事態となっている。
ポーランドなどが独自の輸入規制継続
国連総会の一般討論で演説するウクライナのゼレンスキー大統領=国連本部で2023年9月19日、ロイター
19日の国連総会一般討論演説で、ウクライナ産穀物の輸入規制を続けるポーランドを念頭に、ゼレンスキー氏が「欧州の一部はモスクワを手助けしている」と批判。
これに対し、ポーランド外務省はウクライナの駐ポーランド大使を召喚して抗議した。ポーランドのモラウィエツキ首相は「ウクライナへの武器供与をやめる」と発言し混乱が生じた。
また、ポーランドのモラウィエツキ首相は22日の国内集会で「ポーランド人を二度と侮辱することがないよう(ウクライナの)ゼレンスキー大統領に伝えたい」と述べた。
背景に「支援疲れ」と迫る総選挙
ポーランドが独自の輸入規制にこだわる背景には、侵攻の長期化に伴う国民の「支援疲れ」と、総選挙が10月15日に迫っているという内政事情がある。