トランプ氏、無党派も取り込む 米共和予備選の初戦勝利
共和党の党員集会の会場に現れたトランプ前米大統領=15日、米中西部アイオワ州デモイン(AP=共同)
日経新聞は以下のように報じた。
米野党・共和党が15日に中西部アイオワ州で実施した予備選初戦の党員集会で、圧勝したトランプ前大統領の支持が無党派層にも浸透している現状が浮かび上がった。2位争いは混戦で「反トランプ」候補の一本化にはなお時間がかかる見通しだ。前大統領が優位な構図が続く。
「また同じ人にするのか、新世代の保守的な指導者を望むのか。我々の選挙戦はトランプとバイデンの悪夢を止める最後の希望だ」。ニッキー・ヘイリー元国連大使は15日、党員集会で3位にとどまった結果を受けても強気の発言を繰り返した。
選挙戦で世代交代を訴えてきた51歳のヘイリー氏。前大統領は77歳で、民主党候補として最有力のバイデン氏は81歳と米大統領として最高齢だ。20年に続く両氏の再戦を望まない若年層に支持を呼びかけてきた。
地元紙デモイン・レジスターなどが直前の1月上旬にアイオワで実施した世論調査でヘイリー氏の支持率は20%と、16%だった南部フロリダ州のロン・デサンティス知事を逆転。全米での支持率も2位に浮上し、勢いがあるとみられていた。
「白人男性・非大卒」が支持基盤とされてきた前大統領は男性の49%、非大卒の67%の支持を得ただけでなく、女性の53%を取り込んだ。大卒の支持は37%だったが、ヘイリー氏やデサンティス氏を上回った。
前大統領は自らのスローガン「Make America Great Again(米国を再び偉大に)」の頭文字から「MAGA(マガ)」と呼ばれる岩盤支持層を抱える。アイオワではさらに無党派層も取り込み圧勝を演出した。
全米各州での党員集会・予備選の先頭を切るアイオワの結果は、最近でみると必ずしも先行指標にはなっていない。現職以外では、アイオワを制して共和の大統領候補になったのは2000年のジョージ・ブッシュ氏(第43代大統領)が最後だ。
白人の割合が8割を超える偏った人種構成が「本命」を選出しにくい要因とみられる。全米平均の6割を上回る。
22年11月の米中間選挙では、激戦州で相次ぎ前大統領の推薦候補が落選した。若年層の離反が一因とされ、共和内で「無党派層が弱点」とのレッテルが貼られた。
既に本選を見据える前大統領が岩盤支持層に加えて無党派層を全米で取り込めるのか。次戦のニューハンプシャー州予備選が試金石になる。