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県内の住宅耐震化率、自治体で差 7市町は7割台

県内の住宅耐震化率、自治体で差 7市町は7割台 

高齢地域で低調傾向 改修工事費用の負担も壁に

 栃木県内の住宅の耐震化率(2020年度末)は宇都宮市下野市など6市町で9割を超える一方、茂木町や那珂川町など7市町で7割台にとどまるなど市町間で差があることが2日までに、下野新聞社のまとめで分かった。主に高齢化が進む町で低調な傾向が見られた。発生から1カ月が過ぎた能登半島地震では、耐震化の遅れが被害拡大の要因の一つとも指摘されている。県は「25年度までに耐震化95%」を目標に掲げているが、改修工事費用の負担など壁もあるのが実情だ。

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 県内の各自治体によると、5年に1度の国の調査を基に算出した20年度末の耐震化率は県内全体で89%だった。市町別では、宇都宮と下野の両市が94・4%と最も高かった。一方、65歳以上の割合が約4割を占める茂木町と那珂川町はそれぞれ71%、70・8%と特に低かった。

 高齢世帯によっては、住宅を継ぐ人がいないなどとして耐震化に二の足を踏むケースがあるという。茂木町の担当者は「耐震改修は数十万円で済む場合もあれば、数百万円かかる場合もある。高齢者のみの世帯は消極的な傾向が目立つ」と費用負担も課題に挙げる。塩谷町の担当者も「『地震は怖い』という意識があっても、お金の問題で踏み切れない人もいる」と話す。

改修費用の5分の4(最大100万円)を補助

 県は、費用の補助制度を周知して耐震化を促すとしている。耐震診断や改修設計の一部費用を補助する制度があり、22年度の利用は133戸だった。耐震改修や建て替えに関しては費用の5分の4(最大100万円)を補助する制度などもある。

 各市町も取り組みを進めている。17市町が23年度から、一部補助だった耐震診断を無償化。能登半島地震を受けて日光市が公式LINE(ライン)で補助制度の情報を発信するなど、周知を強化する市町もある。

耐震不足住宅約8万8200戸

 県内では20年度末、耐震不足の住宅が約8万8200戸ある。宇都宮大地域デザイン科学部の近藤伸也(こんどうしんや)准教授(防災マネジメント)は「災害発生時、人手が足りず救助に時間を要する可能性があるため、高齢化が進む地域ほど耐震化が重要になる。メリットを分かりやすく説明していくことが求められる」と述べた。