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「今日の1票、人命に直結」呼びかけ 安保理ようやく決議 ガザ情勢

「今日の1票、人命に直結」呼びかけ 安保理ようやく決議 ガザ情勢

イスラエルイスラム組織ハマスによる戦闘の「人道的休止」を求める決議を採択する国連安全保障理事会=米ニューヨークで11月15日(毎日新聞から)

 

 毎日新聞は、以下のように報じた。

 

 イスラエルイスラム組織ハマスの戦闘開始から40日。パレスチナ自治区ガザ地区で民間人の被害が膨れ上がる中、存在意義を問われてきた国連安全保障理事会は15日の会合でようやく決議の採択にこぎ着けた。ただ、戦闘の持続的な「人道的休止」を求める今回の決議にイスラエルは反発しており、事態の打開につながるかは不透明だ。

 「あまりにも長い時間がたち、あまりにも多くの人々が殺された」。アラブ首長国連邦UAE)のヌセイベ国連大使は決議を歓迎しつつ、安保理としての一致した対応が遅れたことに無念の表情を浮かべた。

 ハマスイスラエルに越境攻撃した10月7日以降、安保理では常任理事国の米国、ロシア、中国が拒否権行使の応酬を繰り広げ、ガザの人道危機をめぐる決議案は4回にわたって否決され続けた。今回の決議案を提出したマルタのフレイザー国連大使は投票前、「今日の私たちの1票は人命につながる」と述べ、支持を訴えた。

 決議は4500人以上が犠牲になったガザの子どもの人道状況の改善に焦点をあてた内容だ。その骨格は10月18日に否決されたブラジル提出の決議案に近い。ブラジル案には理事国15カ国のうち12カ国が賛成したものの、米国が「イスラエル自衛権についての言及がない」として拒否権を行使。加盟国全体に深い失望感が広がり、国連総会の緊急特別会合の招集につながった。

 今回の決議でもイスラエル自衛権は盛り込まれなかった。しかし、米国は拒否権の行使を見送り、棄権に回った。態度を軟化させた背景には、悪化の一途をたどるガザの人道状況をめぐり、イスラエルを説得しきれないバイデン政権の対応に国内外で批判が高まっていることがある。

 歩み寄りを見せたのは米国だけではない。パレスチナを支持するロシアは自国のウクライナ侵攻を棚に上げ、ガザの状況を悪化させたのは米国だとする主張を続けてきた。ロシアは今回、米国が否定する「即時停戦」を訴えつつ拒否権のカードを切らず、棄権した。人道状況への懸念を深めるアラブ諸国との関係を優先した政治判断とみられる。

 また、ロシアに同調してきた中国は議長国として合意をとりまとめる立場を重視し、賛成に回った。張軍国連大使は「最低限のコンセンサスに基づく最初の一歩」だと成果を誇りつつ、「即時停戦を最優先の目標とすべきだ」と述べて米国にクギを刺した。

 一方、賛成票を投じた日本の石兼公博国連大使は「ついに私たち(安保理)が行動することができた」と歓迎。「これは始まりに過ぎない」とも述べ、女性や子どもなど弱い立場に置かれた民間人を保護するため、安保理の関与を継続すべきだと強調した。

 

【視点】 あまりにも遅い決議だが、イスラエルの侵略が1か月以上続くなか、国連安保理事会で過去4回否決されてきた「人道危機を巡る決議案が、15日に15常任理事の内賛成12で可決。米ソとも拒否権を行使せず棄権。イスラエルはこれに反発しており、事態の好転は不透明だが、停戦へ向けての一歩前進である。