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国連総会で対イスラエル不満表面化 ハマス批判が分けた2案の成否

国連総会で対イスラエル不満表面化 ハマス批判が分けた2案の成否

毎日新聞は以下のように報じた。

 ハマスの名指しを避け、「人道的休戦」を求める決議を採択した国連総会=米ニューヨークの国連本部で2023年10月27日、AP(毎日新聞より)

 

「人道的休戦」を求めたヨルダン案を採択(賛成121、反対米国等14)  採択は193国の3分の2

 イスラエル軍パレスチナ自治区ガザ地区を支配するイスラム組織ハマスの戦闘開始から約3週間。国連総会(193カ国)は27日、「人道的休戦」などを求めたヨルダン提出の決議案を賛成多数で採択し、国際社会はようやく「一つの声」の発信にこぎつけた。 一方、イスラエルを支持する米国の意向が反映されたカナダ提出の修正案は必要な賛成票数に届かず、加盟国が抱く対イスラエル不満が表面化した形となった。

 この日、採決にかけられた二つの決議案の違いは、ハマスイスラエルに対するテロ行為の責任を明記するか否かに絞られた。

 ヨルダン案の共同提案国に名を連ねたパキスタンのアクラム国連大使は採決前、ハマスを名指ししたカナダ案について「片方だけを非難するのは公平ではない」と表明。「イスラエルによる(パレスチナの)占領が問題の原罪だ」と訴えると、議場から大きな拍手が起きた。

 これに対し、カナダのレイ国連大使は、ハマスの責任を明記しないヨルダン案を採択すれば、総会が「世界最悪のテロ攻撃の一つ」から目をそらすことにつながると主張。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使も、ハマスへの非難がないヨルダン案は「悪の不作為だ。ハマスの蛮行を擁護し、勢いづける」と強い言葉で非難し、カナダ案を支持するよう訴えた。

ハマス名指しのカナダ不採択(賛成米国等88、反対55)

 だが、最初に採決にかけられたハマスを名指しするカナダ案に多くの支持は集まらなかった。アラブ諸国や中国、ロシア、南アフリカなど55カ国が反対。米欧を中心に日本も含めた88カ国が賛成したが、採択に必要な賛成・反対の合計数の3分の2以上には届かなかった。

国連総会の緊急特別会合の投票結果

 一方、ヨルダン案の投票が始まると、議場のスクリーンに表示された賛成数はすぐに100を超え、121カ国の賛同を得て採択された。反対は米国とイスラエルなど14カ国だけだった。米国に近い欧米諸国にも同調しない国が出て、英国やドイツ、日本は棄権。フランスやスペインなど両案に賛成した国もあった。国際世論を形成しようとする米国の思惑は外れた形になった。

 世界の平和と安全に主要な責任を負う安全保障理事会が大国の拒否権行使の応酬で行き詰まる中、加盟国には人道危機の回避に向けて「総会が発するメッセージの重みはこれまで以上に増している」(国連外交筋)との共通理解が広がる。両案に賛成票を投じた安保理常任理事国フランスのドリビエール国連大使は「ガザの状況は破局的であり、人道的休戦の実現のために協力しなければならない」と説明し、今は人道支援を最優先すべきだと訴えた。

 

【視点】パレスチナ問題は、イスラエルによる侵略の長い歴史、パレスチナ人を殺害してきた歴史、ハマスが生まれてきた歴史を見る必要がある。